「優しさ」で溺れないために。今日見つけた鉱石は『感情の境界線』

今日のコンディション、正直に言うと10点満点中「4点」でした。

朝起きた瞬間、頭には二日酔いの霧がかかってるし、呼吸も浅い。

「あかん、今日は使い物にならんかもな…」

そんなふうに思ってスタートした一日やったんですが、本当に私を苦しめたのは身体の不調じゃなかったんです。

もっと厄介な、「他人の感情」という名の嵐でした。

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【 今日の荒野:他人の嵐に巻き込まれる 】

今日、私は組織のトップが抱えてる不安や、スタッフの間に渦巻くトラブルの空気を、真正面から被弾してしまいました。

ログには情けない文字でこう残ってます。

「あかん、共鳴しちゃってる」と。

HSP(Highly Sensitive Person)やエンパス気質を持ってる私にとって、近くにおる人の「痛み」とか「焦り」って、フリーWi-Fiみたいに自動接続されてしまうんです。

勝手に自分の感情としてダウンロードされてしまう。

これ、ほんまにキツいんですよね。

で、その結果どうなったか?

その不安をかき消すために、「画像作成」とか「メール返信」みたいな、手っ取り早く「役に立てる作業」に逃げ込んでしまったんです。

本来、キャプテンとしてやるべき「未来の地図を描く仕事」から目を背けて。

「優しさ」のつもりやったけど、いつの間にかそれが自分を縛る鎖になってた。

そんな荒野での遭難劇でした。

【 使用したコンパス:課題の分離 】

この霧を抜けるために、私が懐から取り出したコンパス。

それがアドラー心理学の「課題の分離」という理論です。

有名なやつですが、これを実践現場で使うのは冒険的に難しい。

理論はこう言います。

「その課題(感情やトラブル)の最終的な結末を引き受けるのは誰か? もしそれがあなたでないなら、それは『他者の課題』であり、土足で踏み込んではならない」

私のAIメンタルコーチも、今日の私を見てズバッと言ってきました。

「キャプテン、あなたは今日、周囲の痛みを吸いすぎました」

「他人の感情は、あなたの荷物ではありません。彼らの感情は彼らの課題です」

私の「なんとかしてあげたい」という想い。

一見「優しさ」に見えますよね?

でもアドラーのコンパスに照らせば、それは他者の課題への土足侵入であり、同時に「自分が傷つかないための自己防衛」でもあったんです。

【 採掘結果:冷徹な線引きこそが、最大の愛 】

今日、この理論を実際に「実験」してみて見つかった鉱石(発見)があります。

それは、こんな真実でした。

「境界線を引くことは、見捨てることではない。灯台になることだ」

今日、私は「誰かのために」と思って皿洗いをし、部屋を整えました。

その時、私はとても満たされていました。これは健全な貢献です。

しかし、代表の不安に同調して一緒にオロオロすることは、誰の役にも立っていなかった。

ただ、二人で一緒に溺れていただけでした。

ここで重要な違いを見つけました。

  • 1. 同調(Sympathy):相手と一緒に穴に落ちること。これでは誰も救えない。
  • 2. 共感(Empathy):穴の上に立ち、「辛いね」と理解しながらロープを投げること。

私が今日やるべきだったのは、冷徹に「それはあなたの課題、これは私の課題」と線を引き、自分自身のエネルギー(魂の火)を絶やさないことでした。

私が元気でいて初めて、溺れている仲間に手を差し伸べることができる。

コーチが言った「30点のフィジカルでも、100点の戦略は作れる」という言葉。

これは、「感情さえ切り離せば、機能は維持できる」という、プロフェッショナルとしての希望の光でした。

【 地図の更新:灯台のスタンス 】

今日の冒険を通じて、私の「グランドチャート(人生の地図)」に新たな書き込みを加えました。

発見場所:組織の混乱という荒野

鉱石名:『灯台のスタンス』

教訓:

嵐の夜、灯台は海に飛び込んで船を助けに行ったりしない。

ただ一点、その場から動かず、強く光り続けることだけが、結果として船を救う。

リーダーの仕事は、共感して一緒に濡れることではないんです。

嵐の中でも決して消えない「光(ビジョン)」であり続けること。

明日もまた、色々な感情が飛んでくるでしょう。

でも私は、心の中に引いた「境界線」の内側で、静かに、しかし熱く燃え続けようと思います。

さて、君の地図には今日、どんな線を引きますか?

また次のログで会いましょう。

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